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菅原 隆徳; 江口 悠太; 大林 寛生; 岩元 大樹; 辻本 和文
Nuclear Engineering and Design, 331, p.11 - 23, 2018/05
被引用回数:12 パーセンタイル:71.33(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システムの設計において、核破砕ターゲット領域のビーム窓設計は重要な課題の一つである。本研究では、粒子輸送、熱流動、構造の連成解析を行い、実現性の高いビーム窓概念を得た。まず必要な陽子ビーム電流値を下げ、ビーム窓の設計条件を緩和することを目的に、ADS炉心に未臨界度調整棒(SAR)を導入した。この炉心について燃焼解析を行い、最終的に燃焼期間中の最大陽子ビーム電流値を20から13.5mAに低減可能であることを示した。燃焼解析の結果を受けて、粒子輸送、熱流動、構造の連成解析を行った。最終的な結果として、最も座屈耐性の強い以下の概念;半球形状、外半径235mm、ビーム窓先端の厚さ3.5mmそして座屈に対する安全率が9、の概念が得られた。座屈圧力は、過去の結果に対して2.2倍の値となった。以上の結果から、より実現性の高いビーム窓概念を提示することができた。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05
核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be, Al(p,x)Na及びAl(p,x)Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
明午 伸一郎; 西川 雅章; 岩元 大樹; 松田 洋樹
EPJ Web of Conferences, 146, p.11039_1 - 11039_4, 2017/09
被引用回数:2 パーセンタイル:78.04(Nuclear Science & Technology)J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミからなる陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。実験では、J-PARCの3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射するビームを用い、RCSのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4GeV及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be-7、Al(p,x)Na及びAl(p,x)Na反応の断面積を残留核から生成する線の測定から導出した。さらに物質・生命科学実験施設内に設置されたミュオン生成用の炭素ターゲットから生成するガスを四重極質量分析器で分析し、炭素のガス生成断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること、陽子ビームがよくコリメートされていること、更に陽子エネルギが高精度に測定できること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できることがわかった。また、本測定で得られた結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。さらにTEFの核設計に用いられているPHITSコードよる計算結果との比較を行った。PHITSに最新の核内カスケードモデルによる計算は、概ね実験を再現するものの40程度の過小評価を与えることがわかった。本研究や今後の反応断面積測定により核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
佐々 敏信; 梅野 誠*; 水林 博*; 森 恵次郎*; 二川 正敏; 斎藤 滋; 甲斐 哲也; 中井 公一*; 雑候 章*; 笠原 芳幸*; et al.
JAERI-Tech 2005-021, 114 Pages, 2005/03
日本原子力研究所では、加速器駆動核変換システム(ADS)にかかわる技術の研究開発を進めるため、大強度陽子加速器施設J-PARC計画の下で核変換実験施設の建設を検討している。核変換実験施設は、ADSの未臨界炉心に関する物理的特性の実験的研究を行う核変換物理実験施設と、ADSを設計するための材料データベース構築及び核破砕ターゲットの工学的特性の試験を行うADSターゲット試験施設から構成される。本報告は、ADSターゲット試験施設について、施設の目標,実用ADSと本実験施設との関連について述べ、台車搭載型核破砕ターゲットを採用した実験施設の検討結果についてまとめたものである。
粉川 広行; 石倉 修一*; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1295 - 1304, 2003/07
水銀ターゲットでは、パルス陽子ビームが水銀ターゲットに入射する際、水銀の急激な熱膨張によって圧力波が発生,伝ぱする。そのため、SUS316L製の水銀ターゲット容器には、過大な動的応力が発生し、ターゲット容器の構造健全性に影響を及ぼす可能性がある。そこで、水銀ターゲット容器、特にビーム窓の構造健全性を評価するために、1MWパルス陽子ビーム入射条件下での動的応力挙動を有限要素法によって解析した。半円筒状、及び平板状ビーム窓を持つ2種類のターゲット容器を解析モデルに用い、両者の結果を比較した結果、圧力波によってビーム窓で発生する動的応力が2次応力として取り扱うことが可能であり、平板状ビーム窓を持つターゲット容器が半円筒状ビーム窓のターゲット容器よりも構造的な観点から有利であることを明らかにした。併せて、セイフティーハルの構造強度評価を行い、健全性が確保させることを明らかにした。
寺奥 拓史*; 寺田 敦彦*; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 神永 雅紀; 石倉 修一*; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2003-026, 77 Pages, 2003/03
原研とKEKが共同で推進している大強度陽子加速器計画(J-PARK)では、物質・生命科学研究の展開を図るため、1-MWの核破砕中性子源を建設する。陽子ビームは陽子ビーム窓を通過し、中性子源ターゲットに入射する。この陽子ビーム窓は、陽子ビームラインの高真空領域とターゲットやモデレータを格納しているヘリウムベッセル内のほぼ大気圧のヘリウム雰囲気との境界壁となる。陽子ビームとの反応で窓材料は高密度の熱を発生するため、陽子ビーム窓は軽水で冷却される。したがって、過大な熱応力や冷却水沸騰の要因となるホットスポットが発生しないように窓部における均一な流量配分を実現し、冷却水の内圧応力や発熱による熱応力に対する十分な構造強度を満足する必要がある。本報では、製作性に優れた平板型構造及び応力的に有利な曲面型構造の陽子ビーム窓を提案し、設計検討の一環として構造強度評価及び熱流動解析評価を行った。その結果、窓部では均一な冷却水の流動により十分な除熱性能が確保でき、また内部の冷却水圧力による応力及び熱応力を許容応力値以下に抑えることができたため、現設計で陽子ビーム窓として成立することを確認した。
木下 秀孝; 寺田 敦彦*; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2001-061, 43 Pages, 2001/10
陽子ビーム窓やセーフティハルの構造設計では、冷却水量を低減して中性子吸収量を抑制する観点から、低流速の狭隘流路構造とする必要がある。低流速で高熱伝達率を維持するために、製作性の良い2次元リブ付き流路に着目して、安全性にかかわる限界熱流束(CHF)を調べる実験に着手した。本報では、従来のリブ付き流路における熱伝達特性をまとめ、さらに、実験装置の概要と予備実験の結果を報告する。予備実験では、リブのない流路に対して壁面摩擦係数は約3倍,熱伝達率については約2倍の値を得、限界熱流束は従来のモデルとほぼ同一の値を示した。
須永 博美; 岡田 漱平; 滝沢 春喜; 金子 広久; 河裾 厚男; 四本 圭一
Proceedings of 23rd Linear Accelerator Meeting in Japan, p.313 - 315, 1998/00
原研において設置計画をすすめているポジトロン利用研究施設(POF)について、これまでに実施した設計研究の中で特に技術的可能性を実証する必要があるものについて試作及び性能確認を行った結果を述べる。検討項目は大出力電子リニアックに用いるクライストロンのRF窓及びリニアックからの電子ビームを水冷ターゲットへ取り出すためのビーム窓である。RF窓についてはPOFに用いるクライストロンが既存のものでは得られない大(平均)出力を要するため、新たに開発しなければならず、そのキーポイントとなる部分であることにより開発を進めた。その結果既存のものをベースとし、冷却方法を工夫することにより性能を満たすことが確認できた。また、ビーム窓については試験装置を試作し、窓として予定しているチタン、タンタルについて電子ビームによる耐熱試験を実施し、実機の場合の7.5倍以上のビーム量で異常のないことが確認できた。
西田 雄彦; 滝塚 貴和; 高田 弘; 廣田 耕一*; 鈴置 善郎*
Proc. of 2nd Int. Conf. on Accelerator-Driven Transmutation Technologies and Applications, 2, p.210 - 216, 1996/06
陽子加速器を利用した2つの超半減期核種の消滅処理プラント概念を提案する。一つは固体ターゲットを用い、もう一つは溶融塩ターゲットを用いたシステムである。これらの概念は原研が創案し、マイナアクチノイドを含む燃料から成る未臨界体系炉心に対して、硬スペクトル・高フラックスの中性子により効率よく消滅処理を可能とするものでる。工学的成立性の見通しを得るため、システム構成、原子炉構造の基本計画、遮蔽概念、熱輸送系概念、燃料交換システム概念等について検討した。原子炉構造概念はターゲット及び炉心燃料集合体構成を基にプラントエンジニアリングの観点から陽子ビームを上部入射方式とし、交換も考慮してビーム窓概念、ターゲット廻り構造概念等を策定した。併せて、ビームライン及び炉廻りの必要遮蔽厚さを策定した。さらに、熱輸送系の概念検討を行い、800MWtのプラント概念を構築した。
岩元 大樹; 西原 健司; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦
no journal, ,
粒子輸送計算コードPHITSは、加速器駆動核変換システム(ADS)の核設計において重要な役割を果たしている。PHITSのバージョン2.52以降、PHITSの核反応モデル(核内カスケードモデルINC)の標準仕様がBertini INCからLige INC version 4.6 (INCL4.6)に変更された。INCL4.6は、モンテカルロコードで使われる核反応モデルを検証する核破砕反応ベンチマークにおいて最も優れたモデルであることが示されているが、PHITSでは独自の脱励起モデル及び核反応断面積のパラメータを使用しているため、PHITSに組み込まれたINCL4.6についても検証が必要である。さらに、これまでのADSの核設計では旧モデルを用いて実施していたため、核反応モデルの変更は、従来のADSの概念設計の結果に大きな影響を及ぼす可能性がある。本研究では、PHITSの新旧標準仕様であるBertini INCとINCL4.6及びPHITSに組み込まれている核反応断面積系統式(Pearlstein-Niitaの式及びSatoの式)の相違によるADSの核特性値の影響を調査した。解析の結果、核反応モデルの差異はビーム電流に大きく影響し、モデル間で10%を超える差異が生じることがわかった。この差異はビーム窓の核特性値にも影響を与えることがわかった。さらに、これらの差異は、核破砕反応による放出中性子の差異に起因していることを明らかにした。
菅原 隆徳
no journal, ,
原子力機構では、高レベル放射性廃棄物から分離されるマイナーアクチノイドを核変換するため、加速器駆動未臨界システムの検討を行っている。ADSの研究開発には幾つもの固有の課題があり、本発表ではADSを実現する上で最重要課題であるビーム窓の設計について報告する。ビーム窓の設計条件を緩和するため、未臨界度調整機構の導入を検討し、この炉心概念を対象として、粒子輸送、熱流動、構造解析の連成解析を行い、より実現性の 高いビーム窓概念を示す。
大井 元貴; 細川 英洸*; 西川 雅章*; 福田 真平; 勅使河原 誠; 明午 伸一郎; 高田 弘
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の核破砕中性子源では、中性子を発生させる中性子標的等をヘリウムベッセル内に設置している。一方、3GeVシンクロトロンからMLFの中性子源まで3GeV陽子ビームを輸送するビームラインは10Pa以下の超高真空に保たれている。このビームラインとヘリウムベッセルを隔離するために陽子ビーム窓が設置されている。陽子ビーム窓は、窓材のアルミ合金の放射線損傷のため、1MW出力の運転において23年の周期で交換する計画である。2017年夏の保守期間において、2号機から3号機への交換を行った。放射化したビーム窓の移動には、遮へいキャスクを使用し、また、冷却水, 真空、およびピローシール加圧配管等の着脱は、遮へいプラグ上部でハンズオン作業で行った。冷却水中には、510Bq/ccのトリチウムが含まれているため、交換前に配管内を乾燥させ、配管着脱時には、放射性物質の飛散防止対策として、作業エリアにグリーンハウスを設置し、局所排気を施した。本発表では、陽子ビーム窓交換作業とその安全対策について報告する。
大久保 成彰; 藤村 由希; 喜多村 茜; 奥野 泰希
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、使用済核燃料の減容化に向けて、加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を行っている。ADSでは、核破砕中性子源及び炉心冷却材として、鉛ビスマス液体金属を用いる。本研究では、ADSターゲット窓候補材に対して、イオン照射後に鉛ビスマス中にて浸漬試験を行い、材料腐食に及ぼす照射の影響を評価した。照射温度450C、表面にて4、8dpaの損傷量までFeイオン照射したSUS316L鋼及びT91鋼を、飽和酸素濃度及び低酸素濃度に調整した450Cの鉛ビスマス中にて330時間浸漬し、腐食形態を断面SEMにより観察した。飽和酸素濃度下における浸漬試験の結果、316L未照射部では、不動態被膜以上の酸化被膜形成は生じなかったが、照射により1m程度の酸化被膜の形成が観察された。T91においても同様に、照射部において酸化被膜の形成が促進された。316L照射部の酸化被膜形成速度は、未照射部の約2倍であった。照射部では、450C照射により転位組織やボイド等が形成し、その後の450Cの鉛ビスマス中浸漬温度によりボイドは熱分解し、空孔を介して鉄や酸素原子の拡散が促進されることにより、照射部では酸化速度が増えていると考えられる。
大久保 成彰; 藤村 由希
no journal, ,
加速器駆動未臨界システム(ADS)では、核破砕中性子源及び炉心冷却材として、鉛ビスマス液体金属(LBE)を用いる。本研究では、ADS炉内機器候補材の一つであるSS316L鋼に対して、イオン照射後に鉛ビスマス中にて浸漬試験を行い、材料との共存性に及ぼす照射効果を評価した。照射温度450C、表面にて8dpaの損傷量までFeイオン照射した316L鋼を、飽和酸素濃度及び低酸素濃度に調整した450Cの鉛ビスマス中にてそれぞれ330時間浸漬し、断面SEM観察を行った。その結果、飽和酸素濃度の場合、照射部では、未照射部に比べて、酸化皮膜の厚さが約2倍となった。また、酸化皮膜が十分に形成しない低い酸素濃度環境において、照射により酸化皮膜形成が促進された。照射部では、450C照射により転位組織やボイド等が形成される。450CというLBE中浸漬温度によりボイドは空孔へ熱分解し、FeやCr等の空孔拡散を促進する。照射誘起偏析モデルからおおよそ粒径程度(数10m)拡散すると見積もられ、酸素は格子間原子と置換し、酸化反応と相まって内方拡散が助長される。以上から、照射部では、照射欠陥によりFeの外方拡散が進むことになり、低い酸素濃度のLBE中でも、酸化皮膜が形成したと考えられる。